夫が生活費をくれない、また生活費を入れてくれても全然足りないという家庭はけっこう多いと言われています。
最近では家計の管理を妻に任せず自分で管理している夫も増えてきましたが、夫に生活費が欲しいと言いにくいこともあり、そのようなときは特に困ります。
ただ、夫が妻に生活費を渡さない理由はいろいろあります。
妻に対して悪意があるとは限らないので、まずは原因が何なのか把握することが先決です。
今回は、夫が妻に生活費をわたさないケース別に対処法を見ていきましょう。
なぜ生活費をくれないのか理由を探ってみる
夫の収入で生計を立てている場合、奥さんがお金の管理をしているケースが多いはずです。
しかし生活費を奥さんに一切任せず、夫が管理しているなら奥さんに預けられない理由があるかもしれません。
ここではその理由としてよくあるものを5つ、紹介します。
- 浮気など女性問題を抱えている
- 飲み代・ギャンブルなど遊興費に使っている
- 内緒の借金を抱えている
- 自分のお金は自分で使って当然と思い込んでいる
- 実は収入が減って本当に渡せないという可能性も
1.浮気など女性問題を抱えている
お金を妻に預けない理由でよくあるのが夫の女性問題です。
浮気している場合は食事代やホテル代などを男性が支払っていることが大半なので、そのお金に使っている可能性があります。
夫の浮気を疑う場合、夫の給与振込口座の確認ができるなら、その中身をチェックしてください。
不審な引き落とし履歴があれば、そのお金を何に使っているか問い正してみましょう。
2.飲み代・ギャンブルなど遊興費に使っている
夫がお酒好き、ギャンブル好きな場合はこれらでお金を使いこんでいる可能性があります。
例えば、仕事でそんなに残業があるわけではないのに毎日帰りが遅い、休日はどこかに出かけてしまっているなどの場合は遊興費として消えているかもしれません。
1回飲みに行くだけでも3,000円から5,000円程度は使うでしょうし、ギャンブルなら1回で数万円のお金を使う人もいます。
これらは貯金が貯まらない一番の要因なので、レシートや馬券などが夫の財布やポケットにないか確かめてみましょう。
3.内緒の借金を抱えている
夫が断りきれない性格だと、いつの間にか借金を抱えていることもありえます。
例えば、誰かにだまされて数百万円の物を買わされてしまった、知人に「絶対儲かる」と儲け話に誘われてついお金を出してしまったなどです。
人が良すぎると、妻の知らないところでこういったトラブルに巻き込まれかねません。
夫が普段から警戒心が薄い性格なら注意が必要です。

4.自分のお金は自分で使って当然と思い込んでいる
生活費を妻にわたさない夫の中には隠しもせず、堂々とお金を使うタイプの人もいます。
「自分で稼いだお金だから誰に文句を言われる筋合いはない」などと悪びれた様子がないと、それも困ってしまいますね。
毎月生活に困らないぐらい稼いでいるならまだしも、少ない給料でそのように思っていると生活に支障が出てしまうでしょう。
こういった夫には家計簿を見せ、食費、光熱費などの実態を説明して足りないお金を追加してもらうしかありません。
5.実は収入が減って本当に渡せないという可能性も
夫がお金を管理していて妻に渡す生活費が減った場合、単に夫の給料が減っただけという可能性もあります。
この場合は夫に悪意がないので仕方ありません。
いくら頑張っても会社の業績が悪化してボーナスがカットされるような事態なら、夫を攻めても逆効果です。
このような場合は転職を検討したほうが良いでしょう。

生活費を入れない夫への4つの対処法
夫が生活費を入れてくれない場合の対処法はその理由によって変わりますが、一般的には以下のような方法が効果的です。
- どれだけ生活費が足りないのか明らかにして、夫に伝える
- 場合によっては経済的DVである可能性をちらつかせる
- 両親や家族から夫を説得してもらう
- 話し合えない場合は自ら働きに出て自活する
1.どれだけ生活費が足りないのか明らかにして、夫に伝える
具体的な数字を見せるのは何よりも効果的です。
電気代、ガス代、水道費などの光熱費、食費、家賃などあらゆる数字を夫に見せて、お金がないという状況を説明しましょう。
「特に贅沢しているわけでもないのにお金がない」「これじゃあどこにも遊びにも行けない」などと伝えれば、生活費の深刻さについて夫も真剣に向き合ってくれるはずです。
2.場合によっては経済的DVである可能性をちらつかせる
DV(ドメスティック・バイオレンス)と聞くと暴力を連想する人が多いでしょうが、DVにもさまざまなタイプがあり、生活費をわたさないタイプのDVは経済的DVと呼ばれます。
DVなら、それが発展すれば離婚に発展するかもしれないと勝手に想像をふくらませてくれるかもしれません。
そうすれば、これまであまり関心を示さなかった夫も少しは話を聞いてくれるようになるでしょう。
DVについて相談できる窓口はたくさんあります。
たとえば埼玉県では埼玉県配偶者暴力相談支援センターを設置していますし、警察署でも相談ができます。
深刻なら早めの相談が肝心です。
参照:埼玉県HP DVに関する相談窓口
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0309/dv-soudan/
3.両親や家族から夫を説得してもらう
夫があなたの話を聞いてくれない状況なら、第三者の力を借りて夫を説得しましょう。
夫の両親と関係が悪くないのであれば夫に内緒で連絡して「生活費を入れてくれない」と単刀直入に相談するのも1つの方法です。
あるいは子どもの言うことも効果があります。
子どもに「どこか遊びに行きたい」「もっとおいしいものが食べたい」などと言わせて夫の心を揺さぶりましょう。
4.話し合えない場合は自ら働きに出て自活する
もし話し合っても全く聞く耳を持たないなら「自分も働きに出る」と自活を宣言しましょう。
妻がフルタイムで働くことになれば家事も分担することになり、食事も自分で用意しなければならないなどデメリットも出てくるので考え直すかもしれません。
また、「私も自分で稼いだお金は自由に使わせてもらう」などと宣告しておけば、ちょっとは考えを改め直す夫もいるはずです。
安易な副業、投資などの儲け話には乗らないこと
お子さんが小さいなどの理由で外に働きに行けない場合、在宅ワークで収入を補うのも有効です。
夫との話し合いがうまくいかないなら、話し合いがまとまるまでの間、在宅ワークでしのぐのも1つの方法でしょう。
ただし、在宅ワークの中には怪しい副業や投資の勧誘なども存在するので注意してください。
もちろん在宅ワークでも安全な仕事はたくさんあります。
種類もたくさんあるので、よく探せばあなたに合った仕事がきっと見つかるでしょう。
離婚を決断する前に自らの収入確保が大切
夫が生活費を十分に入れてくれない場合でも、突発的な離婚は避けましょう。
離婚後、裁判をするにしても自分の生活費は自分でどうにかしなければいけません。
勢いで離婚したくなることもあるでしょうが、ある程度の収入がないと離婚後の生活がままならなくなります。
やむを得ず離婚をする場合でも、離婚の話し合いは収入確保の目処がたってからにすべきです。
経済的なことを理由に離婚できるのか?
浮気や不倫だけでなく、経済的理由で離婚することももちろんできます。
ただ、経済的理由で離婚する場合は財産分与や子供の養育費をあまりあてにできません。
養育費は話し合いで月いくらと決めていても、そのとおりずっと払い続けてくれない夫も多いからです。
もし離婚して経済的に困る状況になってしまったら、行政のサポートを利用しましょう。
一般に知られていない融資や助成金の制度がたくさんあるので、それらを活用すれば対処できることがあります。
生活費の足しにと、返す当てのない借入は危険
生活が苦しくなってしまうと、一時的に「とりあえず数万円だけ借りておきたい」と思って、審査のゆるい無名の消費者金融でお金を借りてしまう人がいます。
消費者金融の金利は決して安くはありません。
利息は最高で年20%です。
そのため、手持ちが少ないと不安かもしれませんが不要な借金はなるべくするべきではありません。
なお、電柱などに貼られている「お金貸します」といった広告はすべて闇金と考えましょう。
これらは正規の貸金業者ではなく法外な利率で貸付を行っています。
一度借りると全額を返済するのは困難なので、手を出すべきではありません。

現状借金があるなら、弁護士に相談を
すでに生活が苦しくて借金をしてしまっている状態なら、それ以上増やさないためにも専門家に相談して債務整理を検討しましょう。
相談は夫に内緒でもできます。
まず、正規の貸金業者でないところで借りた経験があるのなら、その借金が正しい金利で計算されているのか調査してもらいましょう。
その上で返済計画を立てて収支の調整を図っていきます。
債務整理というと自己破産を思い浮かべる人も多いでしょうが、過払い金請求や民事再生などその手前の手続きもあります。
これらの方法なら生活の制限も少ないので、まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
まとめ:限界を感じる前に、専門家へ相談を
夫が生活費を入れてくれない場合、まずはその原因を正しくつかむことが大切です。
そうしなければどんな対応をするのがベストなのかがわからないからです。
夫に悪意があるような場合は対処するのに手間がかかるかもしれませんが、まずは夫に困っている点をしっかり伝え、どんな反応をするか確かめてください。
どうしても対応できなかったり暴力を振るわれたりしたときは1人で悩まず、専門家に相談すべきです。
離婚を考えるのは最後だと思っておくべきでしょう。