テープ起こしはどれぐらい稼げるのか、また実際に仕事を受けるのにどれぐらいのスキルを要するのか紹介します。
一般的に単発での仕事依頼となるケースが多い、テープ起こし。
講演やセミナー、インタビューなどの発言を文章に直す仕事になります。
60分、120分程度の音声を文字に起こすケースが多いです。
慣れている人なら60分の音声を文字にする場合、3時間から4時間程度。
一見簡単なように思えますが、専門用語などが入るとその解読に時間がかかり、作業時間が大幅に想定より伸びてしまうことがあります。
テープ起こしの現場について紹介します。
簡単に解説。テープ起こしの仕事の中身
テープ起こしは、テープレコーダーなどに録音された音声を文字にする仕事です。
他には文字起こし、書き起し、反訳などの言葉が使われるケースもあります。
人の発言を文章に直していきますがその際、「あの」、「そういえば」、「ええと」などの余計な言葉を省き、整理しながら文章にするのが一般的です。
そして音声の質が悪かったり、声が聞き取りにくかったりなど様々な条件もあるので、必ずしも一回聞いただけでは聞き取れないケースもあります。
テープ起こしはそれ以外に予備知識も必要になります。
発言内容をある程度理解していないと、難易度がアップします。
例えば、政治家の演説。
政治に関する専門用語を理解していないと、全てを完璧に文章にする事は難しいでしょう。
他にも医師のインタビュー、スポーツ選手のインタビュー、研究者のセミナーなど特定の分野に長けた知識がないと対応できないテープ起こしも存在します。
そういったテープ起こしは作業できる人も減るので、単価が高くなる傾向にあります。
テープ起こしで求められる4つのスキル
テープ起こしのバイトを行ううえで、求められるスキルは主に以下の4つです。
- パソコンスキル
- タイピング力
- 国語力(文章力や語彙力)
- 一般常識
パソコンスキル
基本的なパソコンスキルは必須です。
「ワードって何?」、「エクセルって何?」、「テキストファイルって何?」という状態ではなかなか仕事を受けるのは難しいでしょう。
パソコンで文章を打ったり、メールを送付したり、ファイルをまとめたりといった基本的な能力が求められます。
タイピング力
タイピングスピードが作業単価に大きく影響します。
ブラインドタッチができるぐらいの技量は習得しておいた方が良いでしょう。
少なくとも、1分間に60文字程度打てるタイピングスピードは欲しいです。
1分間に200文字程タイピングできれば、オフィスワークには問題はないレベルです。
300文字以上タイピングできれば、テープ起こしの仕事には強い武器になります。
国語力(文章力や語彙力)
国語力がないのが、テープ起こしで一番致命的です。
文章の正確性が欠けていると修正が必要になりますし、継続の依頼を受ける事は難しいでしょう。
常日頃から新聞や雑誌などを読んで、文章力や語彙力をアップさせておく必要があります。
一般常識
世間一般のことを知らないとテープ起こしで障害となるケースがあります。
例えば流行語や近年若者が使っている言葉などはタイピングする時に変換ミスしがちです。
特定の分野に詳しいというよりかは、多くの仕事を受けるためにも浅く広く知見があるほうが好ましいと言えます。
講座受講や資格試験でスキルアップも可。ただし資格は不要
「いきなりテープ起こしの仕事を受諾する自信がない」という方向けに、講座や資格などもあります。
テープ起こしの「技術者資格検定試験」というものがあり、修了証書も発行されます。
なお、講座を受講する場合は受講料として5万4,000円かかります。
依頼者側が作業者の技量を判断する一つの基準になるので、取っておいても損はないでしょう。
(参考:一般社団法人音声テキスト化協会)
https://www.voitex-as.or.jp/voitexas/
ただ、初心者向けの単価が低いテープ起こしの仕事もありますから、そういったことからまず実績を作り、徐々にステップアップしていく形でも問題ありません。
依頼者は資格よりも過去の実績を重視する傾向があります。
過去にどんな分野のテープ起こしをした実績があるのか、プロフィールに載せておくと良いでしょう。
仕事を得る方法4つと報酬の相場について。クラウドソーシングは時給換算では安い
テープ起こしのバイトを探す方法と、それぞれの報酬相場についてまとめました。
人気のクラウドソーシングは報酬が低めであることがわかります。
- 一般求人に応募
- クラウドソーシングやSOHOサイトから
- 直接受注
- 知人の紹介
一般求人に応募
一般求人でテープ起こしの作業者を募集しているケースもあります。
就業形態は様々で在宅、常駐、派遣、短期バイトなどがありますが、正社員募集は少ないです。
時給換算だと1,000円~1,400円程度。
ただ、テープ起こしは出来高制(1本いくら)という形が多いです。
求人は実務経験を1年以上を必要としているケースが目立ちます。
2.クラウドソーシングやSOHOサイトから
クラウドソーシングやSOHOなどの仲介求人サイトを利用して、テープ起こしの仕事を受注する方法もあります。
全体的な相場はやや低い傾向です。
1時間の音声で2,500円から5,000円程度のものが多いです。
そこからさらに手数料が引かれる形になるので、手取りとしてはかなり低いものになってしまいます。
クラウドソーシングのプロフィールでテープ起こしの実績があれば、直接オファーが来ることもあります。
直接受注
実績がある方なら、企業から直接受注することもできるでしょう。
その場合は1時間分のテープで5,000円以上、高いと1万円から2万円まで上昇することもあります。
これなら生計を立てられるほどの報酬になるはずです。
ただし、毎月一定量を仕事があるとは限りません。
知人の紹介
テープ起こしの実績があれば、過去に依頼してきたクライアント、知人などを経由して仕事の依頼を受けることもあります。
仕事の輪が広がれば安定的に依頼もありますし、報酬アップにつながります。
知人経由だと、その知人から受け取った報酬が相場となります。
まとめ:スキルを上げれば一定の収入を得ることは可能。ただし安定して稼いでいる人は少数
以上、テープ起こしの仕事について紹介しました。
実績を作り、様々な分野のテープ起こしができるようになれば依頼も増えていくでしょう。
ただし、単価の良いテープ起こしの仕事を得るまでには、ある程度のスキルが必要になり、そこにたどり着くまでは「ちょっとしたお小遣い稼ぎ程度にとどまるケースが大半」です。